ネット上にはテレビの凋落を伝えるものばかりで、その逆になるような話は
ほとんどない中、またまた物議をかもすことがありました。

「アッコにおまかせ」という日曜日昼のバラエティで出演者の出川哲郎の
愛車を子供に落書きさせたり、運手席にドッグフードをまいて2匹の犬に
食べさせている映像を本人は知らせず、天気予報のBGVとして流し、
大慌てする様子を笑うというものだったとか。

ネットではなぜ弱者の車なんだ和田アキ子のならまだ納得、こういうのを
どう笑えというんだろうという反対派。
そして何でもケチつけるから笑いが面白くない、嫌なら見るな派に。
オイラはそろそろ何でも笑いにもっていく傾向を止めてほしいと思いますね。

お笑いの分岐点は「8時だよ!全員集合」と「おれたち ひょうきん族」だった
と思われます。というのも、それまでにも三波伸介、巨泉・前武、欽ちゃんと
か、そういう人たちの番組があったけど時代の方は世の中まだまだ真面目で、
ほんの些細なことをお笑いにしてたイメージ。

芝居関係の松竹新喜劇、吉本新喜劇、その他もろもろでは涙と笑いという
風に笑いの中にも愛情とか慈愛とかそういうものも感じ取れました。
ですから、それらの番組を当時PTAが指定してた俗悪番組とは言われて
いません。まだまだお笑いは高度な印象がありながら、それでもお笑いに
行く人というのは世捨て人という感じでした。

というのも、時代は真面目ですから、学校、職場、家庭でもほとんどが頑固、
頑迷、真剣という息の詰まるような環境でしたから。
そこに8時だよ、ひょうきんが権威をぶち壊すお笑い、下品なお笑い、いじり
という新たな常識を引っさげ一躍席巻しました。

そして時代は真面目で頑固なものを笑い飛ばす、弱い者をいじる、物事に
笑いがないとつまらないと感じる傾向に移っていったのではないでしょうか。
先生も親父も堅物はダメという価値観になり、そういう人をバカにしてもいます。

たけしがさんまの車を壊すというシチュエーションのことが比較されていました。
出川の件と違うのは、ビッグ3ということで両者は平等な関係であること。
またオイラもその番組を見てたんだけど、さんま自体がカギをそっと渡したり、
たけしがエンジンがかからないとそっと教えたりする場面がありました。
ギャグといじりという名のいびりとの差はそういうことでしょう。

またビッグ3と銘打ちながら、たけしはバカ殿風で登場してたし、さんまも車を
破壊されるということ、最近ではダウンタウン、とんねるず、ナイナイが批判対
象になっているのを見ると、彼らは自分たちはしなくて弱者にさせ、御大という
地位に腹立たしく思っている人が多いからかなあって。

また「嫌なら見るな」というのも、ことテレビに関してはそうも言えないでしょうね。
今回の件も見てない者にこうして伝聞がつたわるし、なんでも笑いに結び付け
たがる傾向に嫌気が差します。確かこの番組は弁護士とも問題を起こしてはず
だし、番組内では事件や事故も取り上げてあれこれ常識的なことも言うはず。
二面性ありが今のテレビのあちこちに見られ、頭がおかしくなりそう・・・

スカパーで海外のドキュメンタリーやその他いろいろ見る機会があるけど、笑い
なんて一切ないし、余計な人間の茶化しや会話もなく、見ていてすごくスムース
でわかりやすい。貴重な時間を余計なことに費やすとイライラしますから。

例えば「世界一受けたい授業」というのが好きで毎週見ています。
そのなかで有田にふり、彼がゲストに「本当にOOですか、違ってたらお帰り
下さい」だの必ず何かぼける時間が苦痛で仕方がない。
ですから、見たい番組はすべて録画してからじゃないと、そういう時間はすべて
飛ばしたいですから。

あとそういう飛ばしをリモコンでやってると、いかにいい加減な編集をしているのか
もよくわかりますね。時間稼ぎやCMの投入の多いこと。
いつも視聴率が話題になるけど、時間通りに見ている人ははたしてどれくらいい
るのか疑問です。

選べない不幸ってあるじゃないですか。
特に競争のなくなった寡占状態のものに見受けられ、。テレビもはっきりいって
その一つでしょう。批判を受け入れつつ改善していくようならまだしも、同じよう
にいわれてもう十年以上が経ちました。

お笑いも地位を得て、一昔前はお笑いに行くイコール家族や世を捨てるくらいの
覚悟といわれたのが、最近は親子同伴で面接に行くのだとか。
そもそも出川もポルシェに乗るくらいの成功者、テレビでは弱者を演じていても、
一般人から比べれば彼の方が強者です。

お笑いの人たちも簿給、明日が見えない不安定な生活を笑い飛ばすことでパワーに
変えていたのが、笑わせているんだと変化し、時々ツィッターやなんかで一般人を
貧乏人扱いして炎上してますね。

オイラも基本はふざけている方だとは自覚しているけど、ずっと不真面目だと誰にも
相手にされなくなると思う。また真面目な中のガス抜きとしての笑いは逆に必要だと
も思っています。例えば何か痛恨のミスをしたときに、当事者の心に傷がつかない
ようなものにするための笑いなんかがそうでしょう。

物事には二面性があり、そのバランスで多くのことが保っています。
いまのテレビは完全に失っているようにみえます。
ニュースや報道もクイズも何もかもが笑いですから。

不真面目なのは中年、若者の方が反面教師として上の世代を見てきたからか、
案外まじめなイメージがあります。 
笑いに飢えてた時代は終わりました、今はきちんとしようという時代じゃないかな。
だからワールドカップ関連に芸人を入れないでほしいよ・・・