菓子の専門学校に行ってた頃、仲良くなった台湾人のKさんがいた。 確か二つ年上だったと思う。 2年で同じクラスになり、なぜか良く遊ぶようになった。 すごい金持ちで台湾でもかなりの資産家、確か誘拐が流行った頃で、姪が伯 父と一緒に日本に避難してきたほど一族揃って金持ちであり、政治家、放送 局の幹部、企業家とかなりの権力者だったように記憶している。 Kさん自身も3カ国に工場を持っているのを同窓会報で読んだ。 いつか会いたいけどそんな事情もあり、行くと大歓迎してくれると言ってく れたため、逆に気恥ずかしくなってしまった。もったいないんだけどね。 彼とは本音で話し合えるほどになった。 特に戦争については、「私とあなたは友達になりました、もし台湾と戦争にな ったらどうしますか?」という質問に、「オイラは戦争は絶対にしたくないけ ど、それに抗えるほど強くないと思う。もし戦争になったら、Kさんを殺しに 行くのは友達のオイラだよ」と言うと、かなり大笑いしていたのを思い出す。 台湾もあまり知られてないけど徴兵の国、Kさんも経験していた。 温和でオイラのいたずらにも怒った顔を見せたことがなかった彼が、ある日 真剣に語り始めた。 「なぜ日本人は中国や韓国と仲良くしようとするの?あの国は反日よ!台湾は 親日でほとんどの台湾人は日本人のこと大好き、なのに台湾には知らん振り、 なぜ、なぜなの?・・・」当時国際情勢を知らなかったオイラは、大学時代に ベトナム戦争とカンボジア内戦についてよく調べていたけど、東アジア情勢の ことはほとんど知らず、Kさんの言葉で少しずつ知るようになりました。 まだ左翼が多い時代だったので北朝鮮のことはタブー、中国は遠慮、韓国には 言われるがままの時代でした。そのため批判本は数が少なかったけど、それで もちょくちょく出ていたので、かなりかき集めて読みました。 今の東アジアについての知識が他の人よりリードできたのもKさんのお陰。 オイラも台湾人が心底親日だというのを知ったけど、国自体が中国にべった りなため、メディアもほとんど無視といった感じ。 どうにもならないかなあ・・・と思っていたところに、今回の地震の復興の ための寄付に一番動いてくれたのが台湾でした。 テレビは相変わらず報じないけど、ネットではかなりあちこちに書かれてい ます。それを見るたびに「ありがとう」という気持ちと少しでも多くの日本 人が台湾を好意的に見てくれるようになれば本当にうれしい。 Kさんと最後に別れるときにいわれた言葉が「俺、日本人でおまえが一番 好きだ、おまえと会えて良かった」と言ってくれた事。 もちろん、オイラも同じ言葉を返しました、同じように好きになってくれた 日本人が一人でも多いことを願います!