「このままでは競技人口がサッカーに抜かれる。 地方予選が始まった高校野球界に変化の兆し」というのを読んだ。 http://diamond.jp/articles/-/13083 その原因は少子化というだけじゃなく、野球は年単位で1000人減っている のに対し、サッカーは1000人増えて続けているのだという。 それをプロ野球人気の凋落と連動しているような書き方なんだけど、オイラは 少し違うように思う。 また世代の関係として今の高校生を持つ親の世代はまだ野球で育ってきたけど それ以降はJリーグ人気、W杯人気の中でサッカーを見てきた親の世代になる というがそれもどうだか。 オイラは両方に携わってきたため、特に野球を問題だと思うことがいくつかあ る。まず最大の要因は組織で、縦の関係は密接だけど横のつながりがない。 どういうことかというと、OBとか出身とかの先輩後輩では仲が良い。 OOチーム、OO中学、OO高校、OO大学というように、そちらの枠では 関係があっても、地区とかリーグとかそういう括りでのいわゆる横のつながり での関係は薄いのが特徴。 その大きな原因として野球協会のような組織が完全に分かれてしまった。 プロアマはもちろん、社会人と大学、高野連と中体連のように全体がどういう 野球を目指すのか、指導者によってバラバラになっている。 これがサッカーになると日本サッカー協会が頂点となり、指導方法がトップ カテゴリーからボトムダウンしていく。今の日本サッカーはこういう選手を 育てひいては日本代表を育ててほしいと、日本全国の指導者に行き渡る。 野球界は監督の色や指導法が濃いけど、サッカーは協会の色が濃い。 またサッカーはプロが頂点でそちらを目指せという感じでも、そこに行ける のはほんの一握りだというのも認識している。 そのため、補欠を作らないつまりいろんな形の試合やカップ戦を増やす。 11人制に8人制、フットサル、ビーチサッカーなどいろんな機会を作り サッカーの楽しみを教えるというコンセプトがあり、そこからサッカーファ ンやサポーターを作り出すという指導も行われている。 野球はプロを頂点としているのに高校野球というアマチュア精神ばかりを 説くおかしな組織に本来ならプロが指導すればもっと野球に対する理解や 人気が上がるというのに、いまだにその壁は崩されていない。 指導者は頑迷で非科学的なトレーニングにいまだ古い精神論、なぜ学校教 師でないと監督になれないのか理解不能。 野球の中に「道」のようなものをみさせ、犠牲の精神を語るがそんなに成果 が出ているとは到底思えない。強豪校の多くが不祥事だらけというのが現状だ。 また公立高校がほとんど出て来れないように私立校がプロ養成校のようにな っていながら、県別のトーナメントに必死にしがみつき、実態は越境入学し た生徒ばかりがやっているおかしな現象になっている。 サッカーでは全国高校サッカーというのがあるけど、すでに日本各地に完全 にプロの下部となっているユースがあるため、最近では公立校が数多く進出 し、優勝している傾向もある。そういう風に住み分けをすべきだと思う。 そうした現状を知る親が特に都市部では増え、地方でも少しずつ増えてきた。 親は野球経験者であり、野球の素晴らしさを知っていてもサッカーの柔軟性 な体質や古臭い上限関係にしばられないながら、リスペクト精神を培うとい う方向に魅力を感じている人も多い。 野球ではいまだに野次や審判に対する不平、相手チームとは敵という見方に 同じチーム内でもいろんな確執を生む土壌があるように見聞きする。 それが企業の社会人チームから草野球にまで蔓延しているのが悲しい。 オイラはどちらも大好き。 プロ野球にもがんばってほしいけど、横浜やヤクルトそしてロッテの身売り が囁かれているともいう。そうそう良く考えたらいまだに企業中心。 こちらも早くその体質を改善してほしいと思う。